中央公論10月号

 論文  米国一極体制に対抗する欧州の論理 (欧州軍の創設、国際法の再定義へ) 142ページから151ページ


私は今年の夏久しぶりにニューヨークとワシントンへ行って、イラク戦争がドイツと米国の関係に与えた影響について取材してまいりました。冷戦の時代に、最前線の国だった西ドイツは、米国に対して最も忠実な同盟国の一つでした。冷戦の後も、ボスニア内戦やコソボ危機に現われていたように、ドイツなど欧州諸国は、軍事面では、米国にほぼ完全に依存してきました。
 
そのドイツが、なぜイラク戦争に反対し、米国を批判するようになったのか。そしてドイツは今後どのような進路を取るのか。米国はドイツの「造反」をどう見ているのか。この疑問を解く鍵を見つけるために、国連駐在のドイツ大使、コロンビア大学、ジョージタウン大学の政治学者、国務省幹部、国連関係者、カーネギー国際平和財団理事長、などにインタビューしてまいりました。「古い欧州」に13年間住んで、久しぶりに訪れた米国は、とても刺激的でしたが、9/11事件の深い傷が至る所に残っていることを、強く感じました。
 
その取材の結果を、9月10日発売の中央公論十月号に、10ページのリポートとして、発表いたしました。お忙しいところ恐縮ですが、お時間のある時にご笑読頂ければ、幸甚の至りです。