リスク軽減型のファンド連動年金保険
ドイツの生命保険市場では、ファンド連動型の個人年金保険に、最低限の利率を保証してリスクを軽減した商品を発売する準備が進められている。
業界関係者によると、アクサ・ドイツ社、アリアンツ、ジェネラリ、チューリッヒが現在この種の保険を開発しており、近く発売する予定だ。
これまでドイツで売られていたファンド連動型の個人年金保険では、顧客が運用リスクを100%負わなければならなかった。
だが、今回発売される商品では、契約締結コストと、事務コストを差し引いた後、保険料の貯蓄部分に3%から3・25%の最低利息が保証される。
この商品では、保険料を100%株式投資で運用することも可能だが、顧客は株式市場が下落しても、最低限の利息だけは受け取ることができる仕組みになっている。
伝統的な個人年金保険では、株式投資への運用比率は低く抑えられ、90%が債権や不動産投資に回されているため安全性は高いが、現在のように平均株価が上昇している時でも、株式投資によって高いリターンを得ることができない。
アクサ社などが開発した商品は、ファンド連動型の個人年金保険に伝統的な年金保険の性格を部分的に付与することによって、最低限の安心感を与えようとするもの。
アクサ社はこの商品をすでに1997年から米国で販売しており、今回はドイツだけでなくスペイン、ベルギー、フランス、イタリアでも発売される。
ダブリンに拠点を持つ子会社が、デリバティブ(金融派生商品)によって、利息の保証部分を確保することになっている。
フランスのアクサ本社は、ドイツでこの商品を販売するために、1億3500万ユーロ(189億円)の自己資本を準備するなどして、保険会社にとっても高いマージンをもたらす新商品に全力投球する姿勢を見せている。
保険毎日新聞 2006年2月