番号 | 発表時期 | タイトル | 内容 |
1 | 1996年 6月号 |
戦後ドイツ外交と NGO |
ベルリンのNGO「償いの証し(Aktion Suehnezeichen)」は、1958年以来ナチスが被害を与えた国やその市民たちとの交流や、歴史上の事実を学ぶ活動によって、過去との対決を続けてきた。1986年にこのNGOは、ドイツ政府・ポーランド政府との15年間にわたる困難な交渉の結果、アウシュビッツ強制収容所近くに、宿泊施設を持った、青少年出会いの家を建設した。 この施設の建設に加わった人々とのインタビューを通じて、ドイツ人がなぜ過去と取り組むのかについて、浮き彫りにする。同時に、統一後のドイツでの経済困難や、ドイツの国外派兵を背景に、平和団体の存在が問い直されることにより、「償いの証し」が直面している問題にも言及する。 |
2 | 1997年 2月号 |
岐路に立つ 軍事同盟NATO |
ワルシャワ条約機構の崩壊によって、一発の銃弾も発射することなく、冷戦に勝利した軍事同盟、NATO(北大西洋条約機構)。敵を失ったNATOは、危機管理に対応するための新しい軍事機構に生まれ変わるための努力を続けている。ヨーロッパ諸国は、米国がヨーロッパでの危機管理任務に参加しない場合でも、ヨーロッパ諸国だけで軍事行動を取ることができる体制の構築をめざしている。 1996年にベルリンでのNATO外相会議で創設が決まった共同統合機動部隊(CJTF)は、そのための第一歩である。冷戦後、米国のヨーロッパへの関心は急速に低下しており、欧州諸国は米国の単独主義的な傾向に、強い懸念を表明している。米国の駐NATO大使や、NATO事務総長補佐、政治学者へのインタビューを交えて、米欧間に響き始めた不協和音と、NATOの将来の不確実性を分析する。 |